Kotoha Yokozawa
3月19日 渋谷ヒカリエホール
コンセプトは感情と装いの密接な関係を探ることとするレディースブランド。
コレクションのインスピレーションは
『常夏の国・タイへの年末旅行』から来た。
春夏のようなテンションで着れる秋冬の洋服ががテーマ
デザイナー自身
「個人的に秋冬の服をたくさん着込んだりするのが苦手。肌を見せたり、春夏のような着こなしが好き」なんだとか。
ショーではタイ語がプリントされたセーターやTシャツ,
ニットソックスにサンダルなどとてもユニークで新しいアイディア。
ショーの雰囲気は一晩中パーティーを楽しんだ次の日の朝にその楽しい余韻を思い出すかのように楽しむガールズ達といった感じでとても遊び心の詰まったショー。
モデルが履いていたデニムは半分は短く、もう半分は長く生足がペインティングされ、秋冬の服だけど夏服のように着れるようなコレクション遊び心のあるショーだった。
Text by Natsumi x Mari J
Photo by Naomi Sao
Shushu/Tong
3月19日 渋谷ヒカリエホール
「愛してる て言わなきゃ殺す」
なんて激しい言葉の書かれた招待状なんだろうと思い気になっていたこのコレクション。
テーマはlove&hate。
愛と憎悪の表裏一体を表したのだそう。
ドキドキするような焦燥感のある音楽と共に颯爽とモデルが歩く。
袖全体にまでタックを入れたオーバーなパフスリーブのワンピース。
自分を大きく見せたがってるようなボリューミーなラインのコート。
歩くとフワフワ揺れるファー。
肩の下まで垂れ下がった飾りのついたカチューシャや棘のついたハイソックスに、ゴツく仕上げられた靴。
一見可愛い少女のようなのに、細部を見ると違和感を垣間見た。
まるで私だけを見て!と主張するような、幼さの抜けない女の子の気持ちが表れていた。
そして荒く仕上げたドレスに掠れたハンドペインティング、血をつけたようなパールなど
「撃たれた女の子をテーマにした」というデザイナーの言葉通りの細部の仕上がりに。
殺すって言ってたはずなのに、撃たれた女の子。
愛は一歩間違えれば命取り?
黒と赤の激しい色の中で、白が一際目立ち美しく見えた。
Text by Kanami Hiramoto
Jotaro Saito
2019.3.20(水)渋谷ヒカリエ
日本を代表する着物デザイナー、ジョウタロウ・サイトウによる2019-20年秋冬コレクションが発表された。
今回のテーマは、「邪魔しないで。」
「人々の着物に対する固定概念を払拭したい、着物はもっと自由でかっこいい」
そんな思いで作られた今回のコレクション。
着物のショーに似つかわしいテクノ・トランスサウンドが流れるとともに、観客の高揚感を高ぶらせる。
柄は懐かしさを感じるものの、組み合わせが新しい。
クラシカルな柄の上からカラフルにペンキを投げつけたようなデザインだったり、
アニマル柄や、デニム素材まで、今までに見たことのないような組み合わせになっていた。
そしてもう一つ注目なのが、
江戸時代に牢屋の取締りをした牢名主(ろうなぬし)の羽織ものをイメージしているコートジャケット・ロウコート。
伝統着に、内側に花柄を忍ばせたりと、新しいアイテムが出てきた。
伝統を大事にしつつも、色やパターンで新しい風を吹き込む。
日本の伝統服ー「着物」
伝統と、今の融合。
リバイバルで昔のファッションが新鮮に感じるような感覚
に似た、ワクワクしたものを感じた。
Text by Kanami Hiramoto
Photo by Naomi Sao
Keisuke Yoshida
2019.3.21(木) 渋谷ヒカリエ
KEISUKE YOSHIDAによる2019-20A/Wが発表された。
「本当の自分とは」
そんな誰もが一度は考える問いにデザイナーはインスピレーションを得た。
聖歌が流れる。
みんな自分を探すときは、まず原点を思い出そうと昔を振り返ると思うが、デザイナーはカトリック系の学生時代を振り返り聖歌をチョイスしたそう。
頭に包帯を巻いたモデルが登場。
既成概念を取っ払った服が次々と出てくる。
二倍にも膨れ上がったパワーショルダー
かろうじてダッフルに見えるベスト
柔らかい布なのかと思うほどしなやかな曲線になったレザーコートや、肩全体にタックが施されたパフスリーブの上からワンピースを重ね着したようなコート。
コートは二枚仕立てが基本。
誰とも被りたくない、オリジナルな"自分だけのスタイリング"とも言いたげ。
そしてトグルを全体に巻きつけたハイウエストパンツや、ゴツいアウターと対照的な"女らしい"サイハイブーツやピンヒール。
"自分の殻を破ってみたい"
そんな声が聞こえてきそうなほどの服ばかりだった。
ノームコアが流行った時代より、面白いと思う。
あるファッションの本で書かれていた言葉がよぎる。
「奇抜とも言えるファッションに身を纏い街を歩く。あれは泣いているのだと思う。泣くに等しい非合理的主張をしている」
みんな、泣きながら、自分を模索しながら成長するのだと思う。そしてどんどん"本当の自分らしさ"が出来上がっていくのではないだろうか
ファッションの面白さを見せられたショーでした
Text by Kanami Hiramoto
Photo by Naomi Sao
Text by Kanami Hiramoto
Photo by Naomi Sao
Anrealag
2019.3.20(水) 渋谷ヒカリエ
ちょうど3週間前にもパリファッションウィークでコレクションを発表した
『アンリアレイジ(ANREALAGE)』。
ブランド名(ANREALAGE)とは
A REAL-日常、UN REAL-非日常、AGE-時代、を意味する。
「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服、テクノロジーや新技術を積極的に用いた洋服が特徴。
パリコレでも発表した今期のコレクションのテーマは「DETAIL」。東京コレクションのために特別に少し内容を変更しながら、新作を加えたTokyo Amazon fashion weekでのショー。
東京でのショーはまさにこのブランドコンセプトそのもの。
ランウェイには巨大な服がディスプレイされていて、そこには小さな画面を通じてコミュニケーションするSNS時代に、画面では伝わらない細部への追求を試みたと言うメッセージが込められていた。
初めはシンプルなトレンチコートから始まり、ショーが進むにつれてパッチワークなど細部にこだわった洋服達が披露され、徐々にそのパッチワークの刻みも小さくなっていき細部へ細部へと持っていきフィナーレを迎えた。ブランドコンセプトの意味が最後までショーに込められていた。
Text by Natsumi
Photo by Naomi Sao
Ha Ha
2019.3.22 (金) 渋谷ヒカリエ
今回のショーのテーマは
『姿勢、背中の歪み、コルセットをつけないといけない人にむけたコルセットを取り入れたファッションの再構築』
車椅子に乗る方がべんりで楽しむことができるアウターのファッションや、姿勢の改善をテーマにコルセットを使ったワンピースをスポーティなアイテムと合わせてどのように楽しめるかなど、
近未来モードをスポーティ要素におとしこみアウターの後ろが低反発素材など耐久性を重視したダンボールニットでウエアを展開した。
デザイナーの思いは
『海外にもユニバーサルファッションを広めること。』
姿勢 コルセットと一体になるアウターのデザイン。
コートの内側についてるマジックテープでコルセットをつなげることができコルセットのシルエットでいまでにない
背筋のラインが立体的で違和感のあるドレープができ新しいシルエットができあがり、ジップをはずすことで普段見せるのが恥ずかしいコルセットをデザインとしてアウターの上からでもみせることができる。
服を着る方(車椅子サポートする側)
着せる方(介助者)
の両方がすわったまま着せやすいデザイン。
2ウェイにしてオレンジ。
夜道でも危険信号の代わりになるなど、
体勢,姿勢の改善を考慮したユニバーサルウエアなどをファッションの一部としてスタイリッシュにデザインされ、ただクールなだけではなく、スタイリッシュに、且つ機能的というハイテクな要素が日本人ならではの一石二鳥的な発想が素晴らしい。
このショーをきっかけに世界中から注目されて欲しい日本ブランドだ。
Text by Mari J Brooklyn
Photo by Naomi Sao
AKARI MIYAZU
2019.3.22(金) 渋谷ヒカリエ
『私達はこの世に生を授かり生きている
生命は神秘に満ち、始まりと終わりを幾度となく繰り返す。存在の意味を、真実を解き明かす為に 服を通して生命の根本を探り、新たな表現方法を開拓する』
と説明されている宮津明理が手掛ける
ブランドAKARI MIYAZU
「Lost & Found」が今回のショーのテーマ。無垢な少女が、成長していく上での痛みや世の中に翻弄されていくといった物語を洋服で表現したコレクションで、
ブランドのコンセプトと言える“生命”がこのショーでも1つのキーワードとなっている。
今季のコレクションににふんだんに使用されているディテールの“ギャザー”。
トップスやボトムスからアウターまで、波打つように抑揚のついたギャザーがあしらわれ、中には、キャミソールドレス×パンツのレイヤードスタイルにも、ギャザーをふんだんにあしらったルックも。
本来シンプルな洋服さえも、このディテールを重ねることで、予測不能なフォルムを描き、複雑な構造に見せている。
カーキー、ベージュ、グリーン、アイボリー、レッド…複数のカラーと素材の組み合わせがみられたショーだったが、そのショーの最後には純白のシフォンドレスを纏った少女のモデルが現れた。このコレクションには山あり谷ありの人生を潜り抜けた自分の少女時代も反映していると語るデザイナー宮津。
その困難を乗り越えた時、どうやら少女は何かの答えを見つけ出したようにクリアなイメージに。軽やかシフォンは、後ろの壁を映し出すほどで、波打つようなギャザーのうねりはすっかりと姿を消していた。
Text by Natsumi
Photo by Naomi Sao
ミスタージェントルメン
2019.3.22(金) 渋谷ヒカリエ
今回の秋冬コレクション2019では藤原ヒロシが参加するMISTERGENTLEMAN & the ADOPTED SON(紳士と養子(息子)”の意味を持つ)新プロジェクトのアイテムも発表された、オオスミタケシと吉井雄一が手掛けるメンズブランド。
発表された新作コレクションは、ライダースやスタジャン、ダッフルコートなど秋冬のベージュなどのカラーがベースの定番アイテム達。
そしてコンセプトでもある少しの違和感がコレクションに落とし込められており、絶妙なバランスが作り出されていた。
ランウェイには人工芝生が敷かれており、ショー中盤には芝生に似合う乗馬を連想させるグラフィックがプリントされたバッグやウエスタンの要素が加えられ、
ボアフリース、オーバーオール、テーラージャケットと異なる三つのトップスが一着になったデザインや、
ボアフリースとライダースが組み合わさったトップス、ダウンジャケットとコートが一つになったアウターなどどれも少しの違和感がありながらもシンプルかつ、お洒落にバランスよく仕上げられているコレクション。
ブランドのコンセプトはベーシックを追求しながらディテールやシルエット、コーディネイトに 少しの違和感を加える事で生まれる新しいバランス感を持ったスタンダード、
「ポストモダンクロージング」
まさにどの洋服もコンセプトどうりの違和感。それでありながら今年の秋冬に一着欲しくなるようなスタンダード感も兼ね備えたユニークなショーだった。
Text by Natsumi
Photo by Naomi Sao